吉野川や美しい清流、そして悠久を生きる巨樹など、大いなる自然に恵まれたつるぎ町。この町に暮らす高校生のソラと、彼の幼馴染のサクラとトッチは、穏やかで平和な日々を過ごしていました。

剣道部に所属しているソラが日課としているのは、赤羽根大師の大エノキまでのランニング。推定樹齢800年とされ、エノキとして日本一の幹周りを誇るこの巨樹のことが、ソラは大好きでした。

しかしある夏の日の夜、樹勢が衰えていた大エノキは、暴風に耐えられず倒壊してしまいます。
真夜中のことだったので、人々が倒壊に気づいたのは翌日のことでした。そのため、大エノキが倒壊するのを待っていたかのように、禍々しい小さな影が、大エノキから溢れ出る「力」を奪って消えたことは誰も知る由がありませんでした。

翌朝、大エノキのことを心配したソラたちは、変わり果てた姿の巨樹を見て深い悲しみに暮れましたが、すぐそばに見知らぬ少女が倒れているのを見つけました。

その時、辺りが光に包まれました。ソラたちは慌てて逃げようとしましたが、そのまま光の中に消えていきました。

気が付くとソラは森の中にいました。近くにサクラやトッチの姿はなく、あの少女がいました。そして少女は自分が「大エノキの樹霊」であるとソラに言いました。

ソラがいたのは恐ろしい魔物がはびこる過去のつるぎ町。
ソラは少女から不思議な力を授かり、その力でどうにか魔物を撃退します。

それからソラと少女は、森の中で魔物から逃げるサクラとトッチを見つけました。
サクラとトッチもソラと同じように少女から力を授かり、４人は魔物たちと戦いながら命からがら人里へたどり着きます。
しかし、その人里はまるで江戸時代のようで、ソラたちの混乱は深まるばかり。

ここはどこなのか？なぜ過去のつるぎ町に魔物がいるのか？
そして、黒い影の目的は何なのか……

しかし、彼らがこの地へ導かれたのは偶然ではありませんでした。

彼らを中心に多くの人々が出会い、それぞれが成長していき、やがて力を合わせてつるぎ町を危機から救うことになるのです。
ソラとサクラ、そして仲間たちによるつるぎ町をめぐる冒険の物語が、今はじまります。